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スランプなどない① 相反神経支配について

いろいろ生理学、化学、物理、量子力学など勉強していると、スランプというのはないのではないか?と思うことがある。
確かに期待や注目度、時間や環境などで緊張状態が筋肉を興奮させ、思ったとうりの動きができないということもあるだろう。しかし長期にわたり練習しているにもかかわらず、今までできていたことができない、微妙にコントロールがずれてしまう、安定しないということはどういうことなのであろう?
今回は当院が思う理由の一つとして相反神経支配を解説しようと思う。

相反神経支配というのは簡単にいうと、上の画像にあるように主動作筋(上腕二頭筋)が収縮しているときは拮抗筋(上腕三頭筋)が緩むということである。
主動作筋が強く収縮しようと思えば拮抗する筋肉はその収縮力に応じて弛緩しなければいけないということになる。
主動作筋と拮抗筋が同時に収縮すると関節を固定するということになる。
また強い収縮をして最終可動域までいくと脱臼してしまうのでそれを止めるため、拮抗筋を強く収縮させて脱臼を防ぐ必要がある。

また、階段を登るとき、筋肉の収縮の仕方は遠心性収縮と言ってふとももの前の膝を伸ばす筋肉(大腿四頭筋)を収縮させながら膝関節を曲げる収縮の仕方をする。すなわち、関節を安定させながら関節運動をおこなうのだ。この時筋肉は微妙な収縮弛緩をしながら関節を安定させて動作を行っている。
よくスポーツなどで動きが硬いですねーというのは精神的な緊張が主動作筋、拮抗筋の緊張を高めてしまい、スムーズな関節運動や収縮ができないということになる。これはその選手のパーソナルなところや環境が大きく関係するので練習や経験で克服するしかない。ただこの時に注意しないといけないのが、主動作筋の強い収縮が必要になったり、関節の固定などが強いられた時に拮抗筋の十分な弛緩ができないために怪我をすることが多くなることだ。


これと同じように、もし疲労が強かったり、痛みや、微妙な筋肉の傷、などがあり困ったことに体感できないような軽微な筋肉の異常があった場合、主動作筋と拮抗筋の緊張が高まってしまい、細かいコントロールや巧緻性がくるってしまう可能性がある。
この微妙なコントロールの違いが勝負を決める瞬間やここという時にミスをしてしまうのではないかと思う。例えばピッチャーがボールを投げた時にこの拮抗筋のバランスが崩れてしまうと少しのズレがキャチャーのところまで届いた時に大きくコントロールが崩れてしまうのだ。

全国大会や世界と試合が大きくなればなるほど、些細なミスが許されないということになる。今まで結構多くのスポーツ選手を見たことがあったが、やがり怪我をしやすい人やミスが多くなる選手は筋肉の緊張が高い人が多い人がおおい。また、練習をしても克服できない人で競技をやめる人も多く見た。
スランプを精神論でかたずける指導者もおおいが、相反神経支配という生理学的な見解でみてみると面白い。

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